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自分の居場所を再確認した話

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やなかゆう
やなかゆう
岡本かの子作『山のコドモ』です
このおはなしはこんな人にオススメ
  • 読書の集中力があまり続かない。
  • 読書習慣を身につけようとしている。
  • シンプルで分かりやすい話が読みたい。
  • 3歳以上の子どもに読み聞かせしたい。

このおはなしの作者

岡本おかもとかの(1889年~1939年)

※名前をクリックすると別ウィンドウでWikipediaの作者情報が表示されます。

おはなしの始まりはここから

★この文章は2分で読めます

山吉やまきちは、山奥やまおく木樵きこりでありました。

ちいさいときから、やまけものとりたちと、仲良なかよあそんでそだちました。

ある山吉やまきちともだちで一羽いちわおおきなたかが、山吉やまきちひろつばさせ、飛行機ひこうきのようにそらんで、しばらくたかうえで、やすみました。

そのときはるとおくのほうに、みどりみずが、かぎりなくひろつづいた世界せかいえました。

山吉やまきちは、まれてはじめてこんなめずらしい景色けしきましたので、不思議ふしぎでたまりません。

たかに、あれはどこかと、たずました。

あれはうみというみず世界せかいだと、たかこたえました。それから、あそこには、さかなというきれいなおよぐものがいて、それは、それは、面白おもしろいところだとたかは、山吉やまきちおしえました。

山吉やまきちは、そのはなしいて、すぐに、うみというところへきたくてたまらなくなりました。

そして、たかに、どうかあそこへれてってくれと、たのみました。

たかもとうとうことわりかねて、そのままつばさ山吉やまきちせ、うみ目指めざしてんできました。

うみなかに、おおきないわがありました。

たかは、山吉やまきちをそこへろし、しばらくそらんでから、また様子ようす約束やくそくをしました。

山吉やまきちは、そこらでたのしそうにおよいでいるさかないました。

みなさん、ぼくあそんでください』と。
するとさかなたちは、それではここまでおよいでなさい、と山吉やまきちいます。

山吉やまきちこまって、「ぼくやまそだったのでおよぎはらない。」ともうしますと、さかなたちは、さもさも馬鹿ばかにするように、わらって「およぎもらないでうみるなんて、きみ大馬鹿おおばかさんだ。」とって相手あいてにしてくれませんので、山吉やまきち今度こんどなみかって、「ぼくおよがせてください。」とたのみました。

するとなみは、やまどもがうみるなんて生意気なまいきだとおこって、山吉やまきち一巻ひとまいていわうえたたきつけました。

山吉やまきちいたくておいおいいていますと、たかむかえにましたので、いそいでやまれてかえってもらいました。

やまでは山吉やまきち仲良なかよしのいろいろなとりけものが、山吉やまきちかえりを、たいそうよろこびまして、うたうたうやら、おどりをおどるやらして歓迎かんげいしました。

山吉やまきちは、うみで、ひどったはなしをし、やまそだった自分じぶんはいつまでも、やまきみたちのともだちでらす、ともうしますととりけものたちは大喜おおよろこびで今日きょうからやまどもの山吉やまきちさんを、ぼくたちの大将たいしょうさんにしましょうとって、やまのおはなあつめ、山吉やまきちかたむねにいっぱいかざけました。

それがやまのおさまにかがやいて、ちょうど勲章くんしょうのようにえました。

おはなちゃん
おはなちゃん
“山吉”がてっきり“海吉”になっちゃうのかと思った~
やなかゆう
やなかゆう
鷹が山吉を下ろして行ってしまったところはフラグだと思った~

読了ワーク

思い出してみよう

  1. 鷹の翼に乗った山吉は、遥か遠くの方にどんな世界を見ましたか。
  2. 海について、鷹は山吉にどんなところだと教えましたか。
  3. 山吉は魚に遊んで下さいと言いましたが、魚は相手にしてくれませんでした。それはなぜですか。

調べてみよう

  • 『尋ねる』と『訪ねる』の違いは何でしょうか。

単語ピックアップ

1.木樵(きこり)

森林の木を切ること。また、それを職業にして生計を立てている人のこと。

2.生意気(なまいき)

自分の地位や能力をわきまえず、出過ぎた態度・行動をするさま。

3.勲章(くんしょう)

①功績を称えられ、国から授けられる記章のこと。②人に自慢できるような実績や誇りを例えていう言葉。

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読了ワーク『思い出してみよう』の解答例

  1. 緑の水が限りなく広く続いた世界。
  2. 魚というきれいな泳ぐものがいて、それはそれは面白いところだと教えた。
  3. 山吉が泳ぐことを知らなかったから。