やなかゆう
やなかゆう
新美南吉作『デンデンムシノカナシミ』です。短い話なので、すぐに読めます
このおはなしはこんな人にオススメ
  • すぐに読める話をサクッと読みたい。
  • 元の話がカタカナ表記で読みづらく、挫折してしまった。
  • ひらがなが読める子どもが読むのにちょうど良い長さの話を探している。

このおはなしの作者

新美南吉にいみなんきち(1913年~1943年)

※名前をクリックすると別ウィンドウでWikipediaの作者情報が表示されます。

おはなしの始まりはここから

★この文章は1分で読めます

一匹いっぴきのでんでん虫むしがいました。

ある日ひ、そのでんでん虫むしは大変たいへんなことに気きがつきました。

「私わたしは今いままでうっかりしていたけれど、私わたしの背中せなかの殻からの中なかには悲かなしみがいっぱい詰つまっているではないか。」

この悲かなしみはどうしたら良いいでしょう。

でんでん虫むしは、お友達ともだちのでんでん虫むしの所ところにやって来きました。

「私わたしはもう生いきていられません。」と、そのでんでん虫むしはお友達ともだちに言いいました。

「何なんですか。」と、お友達ともだちのでんでん虫むしは聞ききました。

「私わたしはなんという不幸ふしあわせな者ものでしょう。私わたしの背中せなかの殻からの中なかには悲かなしみがいっぱい詰つまっているのです。」と、はじめのでんでん虫むしが話はなしました。

すると、お友達ともだちのでんでん虫むしは言いいました。

「あなたばかりではありません。私わたしの背中せなかにも悲かなしみはいっぱいです。」

それじゃ仕方しかたないと思おもって、はじめのでんでん虫むしは別べつのお友達ともだちの所ところへ行いきました。

するとそのお友達ともだちも言いいました。

「あなたばかりじゃありません。私わたしの背中せなかにも悲かなしみはいっぱいです。」

そこではじめのでんでん虫むしは、また別べつのお友達ともだちの所ところへ行いきました。

こうして、お友達ともだちを順々じゅんじゅんに訪たずねて行いきましたが、どの友達ともだちも同おなじことを言いうのでありました。

とうとうはじめのでんでん虫むしは気きがつきました。

「悲かなしみは誰だれでも持もっているのだ。私わたしばかりでは無ないのだ。私わたしは私わたしの悲かなしみを堪こらえていかなきゃならない。」

そして、このでんでん虫むしはもう、嘆なげくのをやめたのであります。

読了ワーク

思い出してみよう

  1. でんでん虫はどこに悲しみが詰まっていると思ったのでしょうか。
  2. はじめのでんでん虫がもう嘆くのをやめたのはなぜでしょう。

調べてみよう

  • 「でんでんむしむしカタツムリ~♪」と童謡にある通り、でんでん虫とカタツムリは同じものを指します。では、なぜカタツムリはでんでん虫と呼ばれるのでしょうか。

単語ピックアップ

1.堪える(こらえる/こたえる)

がまんする。耐え続ける。

2.嘆く(なげく)

ひどく悲しむ。悲しみにくれる。

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読了ワーク『思い出してみよう』の解答例

  1. 背中の殻の中。
  2. 悲しみは誰でも持っていて、自分は自分の悲しみを堪えないといけないと気付いたから。