やなかゆう
やなかゆう
いよいよ海野十三作、『洪水大陸を吞む』の最後の話です
おはなちゃん
おはなちゃん
なんか・・・アイキャッチが今までの流れからガラッと変わったね
やなかゆう
やなかゆう
だって~サブタイトルがなんとなく○ヴァっぽいから!
おはなちゃん
おはなちゃん
ええ~?何のことー??
このおはなしはこんな人にオススメ
  • SF小説やドラえもんが好き。
  • あまり知られていない作品を読みたい。
  • 5歳以上の子どもに読み聞かせしたい。

このおはなしの作者

海野十三うんのじゅうざ(1897年~1949年)

※名前をクリックすると別ウィンドウでWikipediaの作者情報が表示されます。

前回までのあらすじ

ドラ○もんみたいな話③【この文章は4分で読めます】海野十三作、「洪水大陸を吞む」の第三話です。物語の漢字全てにルビが振ってあります。また、ルビ付きの1分で音読できるシートもダウンロードできます。...

おはなしの始まりはここから

★この文章は2分で読めます

「なぜ――なぜアトランチス大陸たいりくは、海うみの下したに沈しずんでしまったの。」

三四郎さんしろうは、あえぎながら、たずねた。

「月つきのひとつがなくなったら、地球ちきゅうの上うえの潮しおのみちひきが急きゅうにかわったのだ。月つきの海水かいすいに働はたらく引力いんりょくによって、潮しおのみちひきが起おこり、また海うみの水みずの高たかさがきまるのだ。月つきが一ひとつなくなったために、アトランチス大陸たいりくのところでは海うみの水位すいいがあがって、大陸たいりくをのんでしまったのだ。自然しぜんの力ちからは、大おおきいもんだね。」

「人間にんげんの力ちからなんて小ちいさいですね。」

「そうもいえまい。だってアトランチス大陸たいりくは亡ほろんだが、それから一万年以上いちまんねんいじょうたって今いまはどうであろう。このとおり人間にんげんはいたるところにふえ、世界せかいは栄さかえているのだ。」

「そうだ。いつの間まにか人間にんげんがふえた。」

「文化ぶんかも進すすんだ。アトランチス時代じだいには、思おもいもつかなかったことだが、今いまは人類じんるいは空そらを飛とぶことも出来できる。また原子力げんしりょくを使つかって、大おおきな土木どぼく仕事しごとをおこしたり、宇宙旅行うちゅうりょこうをすることも、やがて出来できるのだろう。もしアトランチス時代じだいに飛行機ひこうきがあり、原子力げんしりょくを使つかうことを知しっていたら、多数たすうの人ひとが、他ほかの大陸たいりくへ渡わたって生いき残のこったかもしれない。――自然しぜんの力ちからも大おおきいけれど、たゆまず努力どりょくしていく人間にんげんの力ちからもまた、ばかにならないものだ。」

「敗戦はいせん日本にほんには今一台いまいちだいの飛行機ひこうきもないけれど、わたしたちと同おなじ同胞どうほうであるアメリカ人じんやイギリス人じんやソ連れん人じんなどは、たくさんの飛行機ひこうきを持もっている。だから人類じんるい全体ぜんたいとして考かんがえると、わたしたちはやっぱり飛行機ひこうきをうんと持もっていることになるんだ。そうですね、おじさん。」

「そういう考かんがえ方かたをしてもいいね。日本人にほんじんがもっともっとりっぱな行おこないをするようになって、世界せかいの人々ひとびとから信用しんようされるようになったら、そのときには日本人にほんじんにも飛行機ひこうきをのりまわすことが許ゆるされるだろう。悲観ひかんすることはない。」

「じゃあ、原子力げんしりょくを使つかって、宇宙旅行うちゅうりょこうをする日ひもやがて来きますか。」

「日本人にほんじんに対たいする信用しんようが回復かいふくすれば、そういう日ひも来くるにきまっている。」

「うん。そんなら、いいなあ。じゃあ、ぼくたちは今いまからうんと勉強べんきょうをしておかなくてはね。さあたいへんだ。急きゅうに仕事しごとがふえたぞ。ぐずぐずしていられないや。」

「三四郎君さんしろうくん。君きみは今日きょううちへ来きたとき、生いきているのがいやになったといってたが、今いまはどうだね。」

「おじさん。あんなことは、もう思おもっていませんよ。それよりも、ぼくはうんと長生ながいきをしたいと思おもうようになりました。うんと長生ながいきをして、われらの世界せかい同胞どうほうのために、すばらしい発明はつめいをしたり、住すみよい世界せかいをつくったり、その他ほかすることがうんと増ふえましたよ。」

「それはよかった。きみの考かんがえが変かわって……。」

「今いまぼくらは苦くるしいのだの、つまらないのだの思おもっているけれど、アトランチス人じんの最後さいごのことを思おもうと、ぼくらは元気げんきを出ださなくてはならないと思おもいました。」

「それを聞きいたら、あの人ひとたちも浮うかばれることだろう。」

読了ワーク

思い出してみよう

  1. アトランチス大陸は結局どうなってしまいましたか。
  2. 最初「生きているのが嫌になった。」と言っていた三四郎君の考えはどのように変わりましたか。

調べてみよう

  1. 『亡ぶ』と『滅ぶ』の違いは何でしょうか。
  2. “ソ連”とは、「ソヴィエト社会主義共和国連邦」の略ですが、今は存在していません。“ソ連”とはどこにあったのか、調べてみましょう。

単語ピックアップ

1.同胞(どうほう)

2.信用(しんよう)

3.悲観(ひかん)

音読シートダウンロード

★この物語“洪水大陸を吞む④【希望の光は】”の音読シートがダウンロードできます。
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読了ワーク『思い出してみよう』の解答例