読書には、様々な良い効果があります。
しかし、
「一生懸命本を読んでいるのに、ぜんぜん内容が頭に入ってこない!」
「目で捉えた文字が、まるで自分の頭をスルーしていくみたい…」
といった悩みもつきもの。
貴重な時間を使って本を読むなら、「本の知識を吸収したい!」と思うと同時に、「吸収した知識を生活に生かしていきたい!」と考える人は少なくありません。これは、『読書』という行為に対し、多くの人が『知識を得られる』と認識し、それをメリットと捉えているからです。
ですが、本を読んでいるのに頭に入らないとなると、本を読む行為そのものが無意味なものに感じ、ものすごく自分が損をしているように思えてきます。
では、どうすれば頭に入る“得をする読書”ができるのでしょうか…。
この記事では、本の内容が頭に入らない原因をはじめ、読む本のジャンルとその本を読む目的を認識する大切さ、対策法を解説していきます。
- 本の内容が頭に入らない原因を知り、対策を講じたい。
- 読書に対する向き合い方を知りたい。
- 本の内容を仕事や生活に生かせるようになりたい。
本の内容が頭に入らない原因は?
本の内容が頭に入らない原因は、大きく4つあります。
- そもそも興味ない
- 本を読むハードルを上げている
- 事前準備無しで読んでいる
- 集中できていない
それでは、それぞれ解説していきます。
①そもそも興味ない
話題だったから、人に勧められたから、有名な本だから、という理由で選んでしまった本が、必ずしも自分に合うとは限りません。普段から本をよく読んでいる場合ならともかく、そうではない場合、とても読書がつらいものに感じます。
自分はあまり本を読まないと感じるなら、本の表紙や帯に書かれていることを参考に、見て自然と興味が湧くものを選ぶようにしましょう。
②本を読むハードルを上げている
昔、私は「本は読んだそばから、内容を理解していかなければならない」し、「最初から順序通り読まなくてはいけない」と思っていました。
なので、1回読んですっと入らない文章にぶつかると、「私ってば、こんなところで立ち止まって!」「頭の良い人なら、すぐ理解しちゃうんだろうな…」とか卑屈になっていました。
こうして、勝手にどんどんハードルを上げていました。
ですが、読書は『自分が理解するために、もっと柔軟に、工夫して読んで良いもの』と知ったことで、読書に対するハードルを下げることができました。
例えば、東大生などの頭が良いと言われている人は、特別記憶力が良いというわけではありません。
中には、1回さらっと読んだだけで覚えてしまうような天才もいるかもしれません。ですが、ほとんどの人が、効率よく内容を覚えるために工夫を凝らしていたり、理解を深めるために同じ本を繰り返し読んでいたりします。
繰り返し読むことを恐れず、効率よく本の内容を覚えるための工夫を知り、実践することが大切です。
こちらの記事では、東大を首席で卒業した山口真由氏がオススメする読書方法を紹介しております。よろしければご覧ください。
③事前準備無しで読んでいる
「東大読書」の著者である西岡壱誠氏は、本書で「本の内容が頭に入らない原因の9割は準備不足にある」と指摘します。
そして、東大生が文章を素早く、且つ正確に理解できるのは、文章を読む前に、まずは本のタイトルカバーや帯などの外側から本の中身のヒントを得て、ざっくりと本の内容を想定するからだと言います。
以前、あるクイズ番組に東大卒の男性が出ていたのを見たのですが、その男性は知らない問題にも関わらず、問題文の言葉や選択肢の中からヒントを得て、見事正解していました。
その姿を見て、「文章を読む前に、まずは本のタイトルカバーや帯などの外側から本の中身のヒントを得て、ざっくりと本の内容を想定する」という東大生の読書法に納得しました。
読書前の事前準備の有り無しで、理解に大きく差が出るのであれば、読書前の事前準備は欠かすことはできません。
④集中できていない
通常、私達が普段の生活を送っている時、脳のあらゆる箇所が活発に働いています。しかし、集中している時の脳は、その集中に必要な部分のみが働き、その他の部分は活動を低下させているのです。
つまり、脳が集中している状態というのは、脳の一部分だけが活発に働いている状態ということ。
本を読むことに集中したかったら、本を読む時に関係のない機能は、極力働かせないようにすれば良いということになります。
ここから、パターン別に集中できない理由を見ていきましょう。
読書する場所が悪い
場所が悪いと言えば、空調の問題もありますが、大きく環境に作用するのはやはり『音』の問題ではないでしょうか。
騒音のある場所で、読書や勉強をするというのは、通常なら考えられないことですよね。
しかし、アメリカのプリンストン大学の研究によると、人は全くの無音の場所よりも、適度に雑音がある場所の方が集中できることがわかりました。
それは、適度に雑音がある方が、その雑音を遮断し、より今行っていることに集中しようとするメカニズムが働くからなのだとか。
『適度な雑音』というのは、具体的にいうと70dB(デシベル)くらいの音のこと。
例に挙げるとすれば、セミの鳴き声や繁華街、カフェの店内などが70dBくらいの雑音とされています。たしかに、カフェで読書や勉強をしている人を多く見かけますし、理にかなっている方法だと言えそうです。
ちなみに、図書館の雑音レベルは40dBほど。70dBが集中するのに適度な雑音具合だと言われると、ちょっと静かすぎるように感じます。
とはいえ、「私は図書館みたいな、なるべく静かな場所でないと集中できない」という人もいるでしょう。
「自分はどういった環境だと集中できるのか?」を意識し、探ってみましょう。
1ページあたりの文字数が多い/分厚い
なんとなく、友達に勧められたまま読んでいるけれど、1ページあたりの文字が細かい。そして分厚い…。最初にそう思ってしまうと、これは一体いつ読み終わるんだろう――という不安が生じます。
その不安から、「とりあえずさっさと読み終わってしまおう」という投げやりな気持ちになりかねません。
難しい文字や言葉が多い
「読めたらかっこいい!」という憧れから、ちょっと難しい本を手に取ってしまうことはあります。
しかし、今まで読書をしてこなかった人が、いきなり難しい文字や言葉が多い作品に挑戦すると、そもそも読めなかったり、意味を理解することができずに挫折してしまいます。そうなると、やっぱり読書そのものがつまらないものと思ってしまいがち。
そうなる前に、まずは自分にとって読みやすいと感じる作品から、読み進めることも大事です。
とはいえ、頭の良い人だったら、難しい文字や言葉が多い本も、1回読んだらあっさり理解してしまうわけではありません。理解するために、同じ本を何度も何度も読んでいたりします。繰り返し読むことで、理解の精度を上げているのです。
読書とは、「読んだそばから、内容を理解していかなければならないもの」ではありません。
「1回読んでみて、この本の意味が分からなかった。自分はバカだ…。」「あの人は難なくこの本を読むことができるのに、自分は挫折してしまった!」などと卑下しなくて良いのです。
「繰り返し読むことで、理解していけば良いんだ」と、もう少し気楽に捉えましょう。
別のことを考えてしまう
目の前のことに対し、半分意識はあるけれど、もう半分は別のことを考えてしまう。こういった現象を『リーキーアテンション』と言います。
全ての意識を読書に向けられず、脳の一部分がなんとなく別のことを考えてしまう人は、このリーキーアテンションが起きているのかもしれません。せっかく読書に集中しようと思っているのに、リーキーアテンションが起きるせいで集中できないなんて、迷惑な話ですよね。
しかし、このリーキーアテンションが起きやすい人には、起業の才能があると言います。
人より注意のコントロールがうまくできないという特性はありますが、クリエイティビティは高い傾向にあるので、『クリエイティビティを生かせる分野に強い』と言えるのです。
本を集中して読むことも大事ですが、クリエイティビティを養うことも同じくらい大切なこと。ここは別のことを考えてしまう自分を認め、せっかくのアイディアを無駄にしないためにも、すぐにメモできる体制で読書をすると良いでしょう。
読む本のジャンルから目的を認識する
本を読むと言っても、本のジャンルは幅広く存在し、ジャンルによって目的も多岐にわたります。前述の『事前準備』につながる話ですが、読み始める前に本のジャンルを意識し、『何のために読むのか』を認識しましょう。
以下の表に、本のジャンル・そのジャンルの具体例(本タイトル)・目的・期待できる効果をまとめました。
本のジャンル | 具体例 | 目的 | 期待できる効果 |
趣味・実用 |
冠婚葬祭お金とマナー大事典 |
日常生活やある趣味に直結する知識や技術を伝える。 |
どうすれば良いのか手段・方法が分かる。 読みながら実践することで身につく。 |
「ヨコミネ式」子どもの才能の伸ばし方 |
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確実に上達する弓道(LEVEL UP BOOK) |
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ビジネス・経済 |
自分史上最高の働き方がわかるワーク |
ビジネスの現場で役立つ知識や技術を伝える。 |
ビジネスの場において、知識や技術を役立てることができる。 仕事がはかどる。 |
「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える!伝える力 |
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Excel 最強の教科書[完全版] |
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教育・自己啓発 |
算数のしくみ大事典 |
ある教科の理解を促す。 従来の考え方、意識に変革をもたらす。 |
ある教科の理解がすすむ。 人生をより良く生きるためのヒントを得る。 |
「学力」の経済学 |
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チーズはどこへ消えた? |
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文学・小説 |
人間失格 |
本を通じ、作品の世界観を共有する。 エンターテイメントとして楽しんでもらう。 |
登場人物の世界を疑似体験でき、楽しい気分になる。 リラックスできる。 |
博士の愛した数式 |
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秒速5センチメートル |
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ノンフィクション |
イオンを創った女 |
本を通じ、作者の背景や気持ちを読者と共有する。 真実を知ってもらう。エンターテイメントとして楽しんでもらう。 |
(尊敬する・他作品から興味を持った)作者の背景や思考を知ることができる。 実際にあった出来事を知ることができる。 |
母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記 |
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九十八歳。戦いやまず日は暮れず |
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絵本・児童書 |
はらぺこあおむし |
本文字が読めない子どもに本の世界観を伝え、楽しんでもらう。子どものために書かれ、楽しんで読んでもらうことを目的とした本。 |
文字が読めない子どもでも楽しめる。 読みやすく、楽しい物語を通じて語彙を増やすことができる。 |
りんごかもしれない |
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ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 |
目的を認識することで、目的を達成しようという気持ちが芽生え、それだけでもずっと本の内容を忘れにくくなります。
次に、本の内容を頭に残すための対策法について詳しく解説していきます。
本の内容を頭に残すための対策法
次に、本の内容を頭に残すための対策法6つについて解説していきます。
なお、読書に適したタイミングについては、こちらの記事でまとめています▼
①アウトプットを前提に読む
「読んだら忘れない読書とは?重要な3つのポイント」でもお伝えしている通り、読書はアウトプット前提に読むことで、記憶として定着しやすくなります。
アウトプット方法も様々ありますが、特に人に教えることが、一番記憶に残りやすい方法です。
そうは言っても、なかなか人に教える場面もないなー…という人もいるでしょう。
その場合は、読書ノートをつけたり、ブクログなどのアプリを利用して本の感想やレビューを書いたり、noteで自分なりの要約をアップしたりなどの方法があります。
更に、2週間の内に3回アウトプットを行うと、長期間覚えていられるようになります。
②興味のあるジャンルの本を読む
人は基本、自分にとって必要あると感じた情報は、意欲的に調べたり、それに関する記事を読もうとしたりします。自然と興味がわくものは、自分にとって必要と思ったり、惹かれる要素があるので、積極的に取りに行こうとします。
しかし、興味のないものというのは「自分にとって必要と思ったり、惹かれる要素がないもの」ということなので、積極的に読もうという気持ちもなかなか起こりにくいですし、読み進めても辛いのです。
なので、読んだ本の内容を頭に残しておきたいと思うのなら、興味のあるジャンルから入るというのは、理にかなっています。
でも、「自分の興味のあるものばかり読んでいたら知識が偏り、結果的に考えの偏りを招くのでは?」「もっと幅広く、知識を広げたい!」と思われる方もいるでしょう。
その場合、2つのアプローチ法があります。
1つは自分の興味のあるジャンルを分析し、関連性を持たせて広げていく方法です。マインドマップアプリを利用し、可視化すると分かりやすいでしょう。
もう1つはとにかく受け身になって、興味のあるジャンル以外の情報に触れる場所に身を置く方法です。ざっくり言うと『常日頃からアンテナを張る』ということですね。
たとえば、他の人が興味を持っているジャンルを知ろうとするのも、この方法に該当します。
分かりやすい例で言うと、「子どもが夢中になって観ていたアニメに、いつしか親もハマってしまう」というもの。
簡単に調べることができる便利な現代だからこそ、スムーズに興味を広げることができます。
それと同時に、正しい情報の選び方や取り扱い方も身につけるようにしましょう。
③目次に目を通し、読みたいところから読む
読む本が小説などの物語であれば、通常は順を追って話が展開されていくので、はじめから最後まで順番通りに読むことになります。よって、目次にはわざわざ目を通すことがないという人もいるでしょう。
ところが、実用書やビジネス、自己啓発といったジャンルの本であれば、なにも最初から順を追って読む必要はありません。
まずは目次に目を通し、目次の中で「面白そう!」「知りたい!」と自分が最も心惹かれたところから読み始めても問題はないのです。
目次を見て、自分が最も心惹かれたところを読むというのは、前述の「興味のあるジャンルの本を読む」に通じる話。
もし、興味のあるところから読み始め、話が見えてこない場合は、少し前に戻って読むなど、少しずつ穴を埋めていくような読み方をします。
そうすることで、興味のある箇所を中心にして知識を線でつないでいくことができ、興味のない箇所から順番に読んでいくよりも、はるかに頭に残りやすくなります。
④本のタイトルや帯などから内容を予測する
『本の内容が頭に入らない原因は?』の「事前準備無しで読んでいる」で前述した通り、本のタイトルや帯、目次を読み、これから読む本にはどんなことが書かれているのかを予測してから読み進めることは、内容の理解を促します。
これで理解に大きく差が出るのであれば、この方法を実践しない手はありませんね。
⑤予備知識を入れる
小学生の時、たまたま得た知識を、偶然にも先生が授業などで取り上げた際、「あ、私それ知ってる!」と自分の脳が急に反応したことはないでしょうか。
それまで、ぼーっと聞いていたのに、急に自分が知ってることを取り上げられると「ハッ!」とすぐに反応する、あの感じ。
また、友人に誘われて、友人の好きなアーティストのライブに参加する際、友人から「ライブまでに聴いておいてね~。」なんてCDを貸してもらうこともありましたが、ライブ当日にいきなり曲を聴くよりも、事前に曲を聴いて知っておく方が、ライブへの入り方も違うなと感じました。
このように、「これ知ってる!」というのも興味のうち。
本を読み進める前に、その本に関連する情報を事前に見ておくというのも、理解を助け、忘れにくくなります。
既にドラマや漫画で知っている話や、それに関連する本を選ぶのも、この方法に該当します。
⑥繰り返し読む
読み終わった本を、もう一度立て続けに読むのは、何となく気が進まないものです。
それよりも、どんどん他の本を読んでいった方が、自分の知識が増えるような気さえします。
ですが、繰り返し繰り返し読むことで、やはり知識は定着しやすくなります。しかし、同じ本ばかりに時間を取られたくないという気持ちもわかります。
こちらの記事『【読書効率化】音声化しないで黙読するコツ!(しかも頭に入ります)』では、1回にかける読書時間を減らしながら、回数を重ねることで本の内容を脳へ定着させる方法をまとめています。
まとめ
この記事では、本の内容が頭に入らない時の原因と対策を紹介しました。本の内容が頭に入らない原因に、心当たりのあるものはありましたでしょうか。
今回の記事の要点をまとめます。
- 本のジャンルを意識し、『何のために読むか』目的を認識する。
- 集中できる場所は70dBくらいの適度な雑音のある空間が最も集中しやすいと言われている。
- アウトプットすることを前提に本を読む。
- 読み始める前に、本のタイトルカバーや帯、目次から本の中身のヒントを得る。本に関連する予備知識をつけてから読むのも効果的。
- 同じ本を繰り返し読む。
ぜひ、参考にしてみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。