本を読む際、多くの人が『黙読』すると思います。
この時、音声を発しないで、目で追った文字が頭の中で音として浮かぶことを「内言語」と言います。
しかし、目で追った文字を内言語にしていくと、本を読むスピードが落ちてしまいます。
本を読むスピードが落ちてしまうと、「本を読むにはまとまった時間が必要だ」「読書は時間がかかる」と思い込み、ますます本を読む習慣から離れてしまうのではないでしょうか。
本を読むことが『良いこと』なのはわかってる。
でも、他にやりたいこともあるから、できれば速く、効率的に読めるようになりたいし、しかも読んだ内容をちゃんと覚えておきたい。
こう考える人はかなり多いです(そして私も)。
そこで、この記事では『読書効率化』と題しまして、頭の中で目で追った文字を音声化せずにサラッと読み、忘れない方法をまとめ、記事にしました。
- 資格取得のための読書を効率良く行いたい。
- スキマ時間で効率良く学べる人になりたい。
- 仕事だけの毎日に学びをプラスして周りと差をつけたい。
文字を内言語にしない方法
目で追った文字の音が、どうしても頭の中で響いてしまう。そして、内言語にしないと、読んだ内容が頭に入らない気がする…。
長年、当たり前にその方法で本を読んでいると、そう思ってしまいます。それから、内言語にしないで目で文字を追うこと自体が難しい。
そんな人でも、文字を目で追った時に、「ただ目で文字を認識しているだけの状態」にする方法があります。
それは、「別の言葉を頭の中で音声化しながら読む」という方法です。
例えば、頭の中で「あーー」とか言いながら、目で文字を追います。そうすると、もうすでにその頭の中で発している音があるので、目で追った文字たちは内言語になりません。
効率良く、本の内容を頭に定着させる読書方法
目で追った文字を内言語にせず、読む方法はわかりました。
でも、それだけではまだ不十分です。
ここでは、効率良く、本の内容を頭に定着させる方法を解説します。
この方法は、東大を首席で卒業した山口真由氏の著書『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』を参考に、わかりやすくまとめました。
この7回読みの方法を「サラサラ(7回)読み」とします。
1回目のサラサラ読み
この読書法の画期的なところは、1回の読書にかける時間を短縮する代わりに、同じ本を複数回繰り返し「サラサラ」流し読みすることで、本の内容を脳に定着させるところです。
1回にかける時間が短くて済むので、「本を読むのに時間がかかる…」と思ってつい敬遠していた人には持ってこいの方法になります。
まず1回目のサラサラ読みでは、本の全体像をなんとなく把握するつもりで読みます。
その際、文字の意味をちゃんと理解しなくちゃ!と思わなくても大丈夫。
文字の意味など考えず、最初から最後まで速く目で文字を追い、流し読みします。
その際、なるべく大見出し・中見出し・小見出しなどの『見出し』を意識して読むのがポイントです。
- 本の全体像をザックリ理解するつもりで読む。
- 『見出し』を意識して読む。
2回目のサラサラ読み
1回目のサラサラ読みでは、見出しを意識して読みました。
2回目のサラサラ読みでも、「サラサラ読む」「文字の意味を理解しようとしない」のはそのままです。
ただ、本の構造やアウトラインを理解していくため、1回目より詳細に読んでいく意識で読みます。
2回目読む頃には、本の構造がだいたい掴めるようになります。
- 本の構造やアウトラインを理解するつもりで読む。
3回目のサラサラ読み
1回目のサラサラ読みのポイントは、「①本の全体像をなんとなく把握する」「②見出しを意識して読む」、2回目では「本の構造やアウトラインを理解するつもりで読む」でした。
とはいえ、まだ2回サラサラと読んだだけなので、ちゃんと読めている実感が湧かないかと思います。(読むと言うより、サラサラと視覚で文字をとらえた、と表現した方が的確かもしれません。)
そんな状態なので、1回目と2回目の読書ポイントがちゃんと押さえられているのか不安でしょう。
3回目のサラサラ読みでは、1回目と2回目のポイントを仕上げるつもりで読むことがポイントになります。
この計3回のサラサラ読みで、本の内容をしっかり頭に入れていくための土台を作ります。
- 1回目、2回目のサラサラ読みのポイントを仕上げるつもりで読む。
4回目のサラサラ読み
4回目のサラサラ読みでは、文中に登場するキーワードを意識して読んでいきます。
何度も読んでいると、よく出る文字に自然と注意が向くものです。
そのよく出てくる文字や、その言葉について詳しく説明しているようなところは、「よく出てくる言葉だな」「詳しく説明しているな」くらいの認識にとどめます。
この際、無理に理解しようとしたり、覚えようとはしません。
- 何度も登場する語句に気付く。
5回目のサラサラ読み
5回目のサラサラ読みでは、キーワードとキーワードの間にある、詳しく説明している文章を意識して読みます。
そうすることによって、そのキーワードがある段落で述べられている重要な点をつかめるようになります。
4回目と5回目のサラサラ読みで、段落ごとに述べられている重要な点をしっかり理解していくイメージです。
- 何度も登場する語句について、詳しく書かれている文章を意識する。
6回目のサラサラ読み
6回目のサラサラ読みでは、細かい部分も意識して読んでいきます。
キーワードに関する文章に、関連するような内容の文章があれば、それがここで言うところの『細かい部分』にあたります。
また、頭に入った事柄を「ここの内容は、こういう解釈で良いんだよね?」という具合に、答え合わせするつもりで読むのも、理解を深めることにつながります。
- キーワードに関連する内容を意識する。
- これまでに頭に入った内容を、答え合わせするつもりで読む。
7回目のサラサラ読み
いよいよ7回目のサラサラ読みは、鮮明でないところを確認し、しっかり定着させる仕上げとなります。
ここで、あまり頭に入っていないように感じる不安な箇所に関しては、その部分を重点的に読むことで、理解していきます。
全体の内容が頭に入っていれば、7回目では最初から最後まで通して読むのではなく、より理解を深めたいところをポイントで読んでいきます。
- 鮮明でないところを確認し、しっかり定着させる。
- 理解を深めたいところを重点的に読む。
サラサラ7回読みのまとめ
1回目~7回目のサラサラ読みをまとめると、このようになります。
- 1~3回目で全体像を把握する。
- 4~5回目で内容を把握する。
- 6~7回目で細部を把握する。
この読書法を編み出した山口氏は、著書でこの7回読みをする際は「何も書かれていない真っ白なノートに、本の内容を写し取っていくイメージで行う」と述べています。
「7回読み」というのは、だいたい7回も読めば、内容を把握できるという意味で著者が名付けたもので、絶対に7回読まなくてはいけないというわけではありません。
実際に著者は、7回読んだ後でも、さらに何度も読むことがあると言います。
更に、サラサラ7回読みで大切なポイントは、『次のサラサラ読みまでの間を空けない』です。
記憶が薄れない内に、次を読むことが重要なので、できれば一日以内に読むほうが効果的です。
もし出来なくても、1日目に1回目、2日目に2回目…という読み方でも問題ありません。
おわりに
この記事では、目で追った文字を頭の中で音声化(内言語)させない具体的な方法と、東大卒の著者が実践する、スキマ時間でできる読書法を紹介しました。
最初のうちは、慣れるまで大変かもしれません。
慣れない内は、短めの本で練習するものオススメします。
また、本ブログに掲載している物語記事も、速く読むための練習になるかと思いますので、ぜひご活用ください。
この方法を実践していくうちに、効率的な読書が身につき、資格取得の勉強もスムーズにできるようになれば幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。