- すぐに読める話をサクッと読みたい。
- 元の話がカタカナ表記で読みづらく、挫折してしまった。
- ひらがなが読める子どもが読むのにちょうど良い長さの話を探している。
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★この文章は1分で読めます
一匹のでんでん虫がいました。
ある日、そのでんでん虫は大変なことに気がつきました。
「私は今までうっかりしていたけれど、私の背中の殻の中には悲しみがいっぱい詰まっているではないか。」
この悲しみはどうしたら良いでしょう。
でんでん虫は、お友達のでんでん虫の所にやって来ました。
「私はもう生きていられません。」と、そのでんでん虫はお友達に言いました。
「何ですか。」と、お友達のでんでん虫は聞きました。
「私はなんという不幸せな者でしょう。私の背中の殻の中には悲しみがいっぱい詰まっているのです。」と、はじめのでんでん虫が話しました。
すると、お友達のでんでん虫は言いました。
「あなたばかりではありません。私の背中にも悲しみはいっぱいです。」
それじゃ仕方ないと思って、はじめのでんでん虫は別のお友達の所へ行きました。
するとそのお友達も言いました。
「あなたばかりじゃありません。私の背中にも悲しみはいっぱいです。」
そこではじめのでんでん虫は、また別のお友達の所へ行きました。
こうして、お友達を順々に訪ねて行きましたが、どの友達も同じことを言うのでありました。
とうとうはじめのでんでん虫は気がつきました。
「悲しみは誰でも持っているのだ。私ばかりでは無いのだ。私は私の悲しみを堪えていかなきゃならない。」
そして、このでんでん虫はもう、嘆くのをやめたのであります。
読了ワーク
思い出してみよう
- でんでん虫はどこに悲しみが詰まっていると思ったのでしょうか。
- はじめのでんでん虫がもう嘆くのをやめたのはなぜでしょう。
調べてみよう
- 「でんでんむしむしカタツムリ~♪」と童謡にある通り、でんでん虫とカタツムリは同じものを指します。では、なぜカタツムリはでんでん虫と呼ばれるのでしょうか。
単語ピックアップ
1.堪える(こらえる/こたえる)
がまんする。耐え続ける。
2.嘆く(なげく)
ひどく悲しむ。悲しみにくれる。
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読了ワーク『思い出してみよう』の解答例
- 背中の殻の中。
- 悲しみは誰でも持っていて、自分は自分の悲しみを堪えないといけないと気付いたから。